
執事への接し方
お願いと返事の間に、互いへの敬意を
執事への接し方とは
執事への接し方とは、ご主人さまと執事がお願いと返事を交わしながら、互いの尊厳を守る関係の作法でございます。執事はできる限りお仕えいたしますが、すべてを無条件に承る存在ではありません。「できかねます」という返事も含め、誠実に相談を重ねることが、心地よい時間をつくります。
まずは、執事へお尋ねくださいませ。
詩を諳んじる者、レコードに一家言ある者、紅茶の産地を語り出すと止まらぬ者。執事には、それぞれ得意とすることがございます。ご希望があるとき、できるかどうかを先回りして遠慮なさる必要はございません。まず言葉にしていただくことで、執事は支度の方法を考えられます。
お願いは、完成した指示でなくても結構でございます。「静かに過ごしたい」「この調度をもっと知りたい」といったご気分から、執事が選択肢を整えます。男性の執事も女性の執事も、自分の得意なことと承れる範囲を確かめながら、ご主人さまへ向き合います。
一度で思いが伝わらないときは、目的や気分を言い換えていただければ結構でございます。執事も分かったふりをせず、必要なことを確かめます。お願いと確認を往復する時間は、命令が滞っているのではなく、双方が同じ情景を思い描くための大切な支度でございます。

お願いに対する執事の四つの返事

| 返事 | 意味 | その後 |
|---|---|---|
| 得意なこと | 執事により異なります | まずはご希望をお尋ねくださいませ |
| 不得手なこと | 執事により異なります | 分かったふりをせず、丁寧にお返事いたします |
| 業務の範囲を超えること | 執事として承る範囲の外にあります | 丁重にお断り申し上げます |
| 尊厳を損なうこと | ご主人さまと執事、どちらの尊厳も守ります | 丁重にお断り申し上げます |
『できかねます』という返事も、ご主人さまを遠ざけるためではなく、互いの尊厳を守りながら誠実にお仕えするための言葉でございます。
望む情景を伝えると、執事は方法を選びやすくなります。
望む情景とは、具体的な手順より先に、ご主人さまがどのような時間を過ごしたいかを表す言葉でございます。「書斎で静かに手紙を書きたい」「暖炉の前で会話を続けたい」と伺えば、執事は灯り、椅子、紅茶、控える距離を一つの場面として考えられます。
ご希望が複数あるときも、優先する気分をお聞かせくださいませ。写真を残したいのか、調度を近くで見たいのか、お連れさまとの時間を守りたいのか。同じ空間でも、執事が先に整えるものは変わります。目的が分かれば、できる方法を提案しやすくなるのでございます。
お一人なら言葉の少ない時間も尊重し、お二人なら会話を遮らない位置に控えます。最大6名さまの場面では、一人のご希望だけで全員の動きを決めず、皆さまが心地よく過ごせる順序を確かめます。人数が変わっても、まず伺い、返事をし、同意を得て動く姿勢は変わりません。

「できかねます」もまた、執事の言葉でございます。
執事がすべてを即座に引き受けることだけが、よい応対ではございません。執事の業務の範疇を超えるご要望、また執事の尊厳を損なうご要望は、丁重にお断り申し上げます。曖昧に請け負うことなく、できかねることはできかねるとお伝えするのも執事の務めでございます。
『できかねます』は、ご主人さまの思いそのものを否定する言葉ではございません。執事にもそれぞれ得手不得手があり、対応できる内容は異なります。返事を受け取った後、別のご希望があれば、あらためて執事へお尋ねくださいませ。難しい理由をお伝えできる範囲で説明し、目的に近づける別の方法があればご提案します。

お願いを心地よい相談へ変える五つの往復

ご希望を伝える
何をしたいかに加え、どのように過ごしたいかもお聞かせくださいませ。
執事が確かめる
ご希望が執事の業務の範疇にあるか、執事の尊厳を損なうものではないかを確かめます。
返事を受け取る
承れること、確認が必要なこと、できかねることを執事がお伝えいたします。
別の方法を相談する
最初の形が難しいときは、目的を保てる別の方法があるかを一緒に考えます。
あらためて尋ねる
最初の形が難しいとき、別のご希望があれば、もう一度執事へお聞かせくださいませ。
ご希望は、目的と気分からお聞かせくださいませ。

| ご主人さまの思い | 伝え方の例 | 執事が確かめること |
|---|---|---|
| 静かに過ごしたい | 会話は控えめにしてほしい | お声掛けの頻度と控える距離 |
| 館をよく見たい | 家具や銀器の由来を聞きたい | 関心のある空間と品、触れてよい範囲 |
| お連れさまを大切にしたい | 二人の会話を中心にしたい | 執事が入る時機と必要な支度 |
| まだ決めていない | 今日の気分に合う場所を相談したい | 明るさ、静けさ、座り方などの好み |
完成した指示でなくても結構でございます。目的や気分を伺い、執事が選択肢を整えます。
主従の物語にも、越えてはならない境界がございます。
執事はご主人さまへお仕えします。けれど、その物語は一方が他方の人格を軽んじることを意味しません。執事の業務の範疇を超えるご要望、また執事の尊厳を損なうご要望には、丁重にお断り申し上げます。執事の尊厳を守ることは、館で過ごすすべての方を尊重することにつながります。
同時に、執事もご主人さまの気持ちを決めつけず、無理に会話や行動を促しません。お願いする側と応える側が互いの境界を尊重するとき、主従という物語は窮屈な上下ではなく、信頼を預け合う関係になります。
写真、会話、身体へ触れるお世話など、ご本人の意思を確かめるべき場面では、執事は先にお声掛けいたします。一度承ったご希望でも、ご気分が変わればお知らせくださいませ。最初の返事に縛られず、その時点の意思を尊重して場面を整え直します。

心地よい主従関係に含まれること
- ご希望やご気分を、そのまま執事へ尋ねること
- 執事が承れる範囲と必要な確認を言葉で返すこと
- 難しいときに目的を保てる別の方法を相談すること
- ご主人さまと執事が互いの意思と尊厳を守ること
主従関係に含まれないこと
- 一方の人格や身体を軽んじること
- 分からないことを分かったふりで引き受けること
- 一度決めた希望を気分が変わっても続けさせること
ご来館からお見送りまで、希望は何度でも確かめ直せます。
ご来館の始まりには、執事がお召し物とお荷物をお預かりし、その日のご希望を伺います。予約時に決めた過ごし方があっても、実際に館へ入り、調度や灯りをご覧になって気分が変わることは自然でございます。執事へお知らせいただければ、承れる範囲で順序を整え直します。
午後の紅茶の途中で書斎へ移りたくなったとき、暖炉の前でもう少し静かに過ごしたいとき、記念撮影を後にしたいとき。変更の大小を気にして、最初の予定を守り続ける必要はございません。執事は残る時間と必要な支度を確かめ、できる形をお返事いたします。
お見送りの前には、お預かりした品を確かめてお返しします。その場で伝え忘れたことや、次に望む過ごし方があればお聞かせくださいませ。一日の最後まで、お願いする側と応える側の言葉を曖昧にせず、気持ちよく館を後にできるようお仕えいたします。

執事との関係を知る三つの入口
Qどこまでお願いしてよいですか?
まずは執事へお尋ねくださいませ。対応できる内容は執事により異なります。執事の業務の範疇を超えるご要望、また執事の尊厳を損なうご要望は、丁重にお断り申し上げます。
Q「できかねます」と言われたら、お願いしてはいけなかったのでしょうか?
尋ねること自体を責める言葉ではございません。対応できる内容は執事により異なります。別のご希望があれば、あらためてお尋ねくださいませ。
Q執事に気を遣いすぎてしまいます。
ご遠慮なく希望をお聞かせくださいませ。執事は承れることと難しいことを自らお返事します。ご主人さまが先回りして諦める必要はございません。
Q男性と女性の執事で接し方を変える必要がありますか?
性別によって敬意のあり方を変える必要はございません。男性・女性ともに一人の執事として、得手不得手と尊厳を持ってお仕えいたします。
Q希望がまだ決まっていなくても相談できますか?
はい。静かに過ごしたい、調度を見たいといったご気分からお聞かせくださいませ。執事が館の空間と過ごし方を挙げ、ご希望に近い形を一緒に確かめます。
Q途中で希望を変えてもよいですか?
はい。ご気分が変わったときは、その時点の思いをお知らせくださいませ。執事は最初の返事に縛らず、承れる範囲で場面を整え直します。
執事の心づかいについて
- 対応できる執事は限られております。ご希望の際は、ご予約時にお申し付けくださいませ
- 医療行為・治療を目的とした施術ではございません
- アロマオイルのご使用にあたっては、事前にお肌のご確認をお願いいたします
- 執事の業務の範疇を超えるご要望、また執事の尊厳を損なうご要望は、丁重にお断り申し上げます







