銀のカトラリーが並ぶ食卓で所作を示す執事
Butler manners

執事の作法

主人を迷わせないために、執事が先に整える。

Queen's Butler — Definition

執事の作法とは

執事の作法とは、主人が次に何をすればよいか迷わず、穏やかに過ごせるよう、執事が先に場と動きを整える所作でございます。食卓、午後の紅茶、お辞儀、銀のベルへの応え方には、どれも主人を急かさないための順序があります。男性の執事も女性の執事も、その心配りを一つずつ動きに表します。

Quiet guidance

作法は、主人を試すためのものではございません。

銀のカトラリーが並ぶ卓を前に、少し身構えてしまうことがあるかもしれません。三段スタンドはどこから手を付けるのか、銀のベルはいつ鳴らすのか、執事へ何と声をかけるのか。執事は、その迷いが言葉になる前に、お手元と視線を見ながら次の動きをそっと示します。

場を整える作法とは、ご主人さまへ細かな決まりを押しつけることではなく、執事が迷いの種を先に取り除くことでございます。椅子を引く、歩調を合わせる、必要なものを手の届く位置へ置く、尋ねられたら短くお答えする。執事が先に整えることで、ご主人さまは目の前の時間へ気持ちを向けられます。

白手袋の執事からティーカップを受け取る手元
五つの場面Five scenes of manners
At a glance

場面ごとに、執事が先に整えること

正餐の間。イチイ材のテーブルと椅子、シャンデリア
場面主人が迷いやすいこと執事が整えること
食卓どの銀器を使うか並びを整え、お手元を見て順序をそっと示す
午後の紅茶三段スタンドとスコーンの扱い茶を淹れ、必要な時だけお伝えする
お出迎えとお見送り立つ位置、歩き出す時扉へ先に手を添え、歩調を合わせる
執事を呼ぶ時声をかけてよいか卓上へ銀のベルを置き、音に応える
ご要望を伺う時どこまで頼めるか承れることと難しいことを、失礼なくお伝えする

作法の目的は、主人が決まりを暗記することではなく、安心してその場を過ごせるようにすることでございます。

At the table

銀器の順序より先に、執事は主人のお手元を見ます。

食卓での見守りとは、銀のカトラリーだけでなく、ご主人さまの視線、手元、会話の流れまで執事が受け取ることでございます。順序はその場でそっとお伝えします。どこで迷われたか、次の一手を探しているか、会話を止めたくないかを読み取り、必要なときだけ言葉を添えます。

お台場の館では、Christofle マルリーの12種を6名分揃えております。華やかな銀器を前にしても、ご心配は要りません。細部の解説は「テーブルマナー」で、実際の館の情景は執事サロンの「食卓にて」でご覧いただけます。

食卓にてを見る
銀のポットやシュガーを載せたティーサービス
A quiet sequence

執事が場を整える五つの動き

暖炉の間の暖炉とロココのソファ

先に見る

主人の歩調、視線、手元を見て、次に必要なことを確かめます。

先に整える

扉、椅子、銀器、カップを、主人が手を伸ばす前に整えます。

必要な分だけ伝える

迷いがあれば、時間を止めない短い言葉で順序をお伝えします。

動きを待つ

執事の考えだけで先回りせず、ご主人さまが選ぶ時間と会話の間を守ります。

一歩下がる

主人が落ち着かれたら距離を取り、必要なときに応えられる場所へ控えます。

白手袋でティーポットとカップを持つ執事の手元
Five scenes

五つの作法は、どれも主人を急かさないためにございます

テーブルマナー銀器の数に迷われても、執事がお手元を見て必要な順序だけをお伝えします
午後の紅茶三段スタンドとスコーンを前に、執事が茶を淹れ、問いに短くお答えします
立ち居振る舞い立つ、歩く、止まる、礼をする動きを、相手との距離を見ながらつなぎます
銀のベル声を張らずに執事を呼べる合図として、卓上の音を受け取ります
執事への接し方承れることと難しいことを互いに言葉へ置き、双方の尊厳を守ります
共通する姿勢男性の執事も女性の執事も、ご主人さまの時間を中心に場を整えます

執事の作法が守るもの

  • ご主人さまが迷われる前に、扉、椅子、卓上、歩く道を整えること
  • 必要なときだけ、会話を遮らない短い言葉でお伝えすること
  • 視線や銀のベルなど、声を張らずに伝えられる合図を受け取ること
  • 承れることと難しいことを失礼なく伝え、互いの尊厳を守ること

作法に求めないもの

  • ご主人さまの知識を試したり、間違いを探したりすること
  • すべての方へ同じ速さ、同じ距離、同じ言葉を押しつけること
  • 執事の業務の範疇や尊厳を越えるご要望を、無条件に承ること

ご主人さまから伝えられる合図

  • 執事へ視線を向ける
  • 短く『執事』と声をかける
  • 控えの間にいる執事へ卓上の銀のベルで知らせる
Respect

「できかねます」も、執事の言葉でございます。

執事は主人のご希望を丁寧に伺います。同時に、何でも無条件に承る存在ではございません。得手不得手は執事ごとに異なり、業務の範疇を超えるご要望や、執事の尊厳を損なうご要望には、「できかねます」と申し上げることがございます。

主人を敬うことと、執事の尊厳が守られること。その両方があってこそ、長く安心して向き合える関係になります。専属執事であるバディとの関係でも、この境界は変わりません。互いの言葉を受け取り、無理のない形を執事がご提案いたします。

革張り天板とタイプライターを設えたツインペデスタルデスク
Qテーブルマナーを覚えてから行く必要がありますか?
A

必要ございません。銀器の順序も、その場で執事がそっとお伝えいたします。迷われたときは、お手元を見守る執事へ目でお尋ねくださいませ。

Q銀のベルはいつ鳴らせばよいですか?
A

執事が控えの間にいるとき、どうぞご遠慮なくお鳴らしくださいませ。執事が側にいるときは、視線や「執事」とのお声がけでも結構でございます。

Q執事へお礼を言ってもよいですか?
A

もちろんでございます。特別な言い方を整える必要はございません。普段のお言葉でお伝えくださいませ。

Q執事に断られることはありますか?
A

ございます。執事により対応できる内容は異なり、業務の範疇を超えるご要望や、執事の尊厳を損なうご要望は丁重にお断り申し上げます。

Q女性の執事も同じ作法で仕えますか?
A

はい。男性の執事も女性の執事も、主人を迷わせないよう場と動きを整えます。それぞれの佇まいは異なっても、ご主人さまの時間を中心に考える姿勢は共通でございます。

Q作法に詳しくなくても館で過ごせますか?
A

もちろんでございます。執事の作法とは、ご主人さまへ知識を求めるものではなく、迷いを減らすために執事が先に整える所作です。分からないことは、その場でお尋ねくださいませ。

Queen's Butler のマーク(G04 筆の環)
Reservation

迷われたときは、執事へ目でお尋ねくださいませ。

食卓や午後の紅茶、立ち居振る舞いを館で確かめたい方は、ご希望と日時をお知らせくださいませ。