銀のポット、シュガー、クリーマーを揃えたティーサービス
Mansion — Silver & Porcelain

銀器と磁器の教養

銘柄の先に、文様と所作の物語がございます。

Queen's Butler — Definition

銀器と磁器の教養とは

銀器と磁器の教養とは、光沢や絵柄の美しさだけでなく、銘柄、産地、文様の由来、器の形、用途、執事の扱い方をひとつずつ読むことでございます。この館では、クリストフル、リモージュ磁器、ウェッジウッドをはじめとする蒐集を、飾ったままではなく、触れられる品としてご覧いただけます。

I銀器と磁器は、手に取れる蒐集品でございます

曲面ガラスのディスプレイキャビネットには、銀器と磁器が収められています。背板は鏡ではなく木製で、金属の白い光と磁器の色を温かく受け止めます。執事は扉を開き、その日の場面に合う一客、一枚、一揃いを選びます。

価値は、名ある品を遠くから眺めることだけにございません。重さを手に感じ、金彩の縁を近くで見て、銀器を静かに置く執事の手元を知ること。この館は、蒐集を所作の中へ戻します。繊細な品の移動と収納は執事にお任せくださいませ。

銀器と磁器を収めた曲面ガラスのディスプレイキャビネット

飾る場所から、使う場面へ

執事が扉を開くと、蒐集は館の時間の中へ戻ります。

IIクリストフルのマルリーは、離宮の名を受け継ぐ

クリストフルはパリで1830年に創業し、仏王室や各国大使館の銀器を担ってきた銀細工の名門でございます。「マルリー」は、ルイ14世がヴェルサイユの喧騒を離れるために建てた離宮マルリー城に由来するパターン名です。

館の蒐集は6名分、12種。テーブル用のスプーン、フォーク、ナイフの3種と、デザート用の同じ3種、魚用のナイフとフォークに、コンソメスプーン、バターナイフ、アイスクリームスプーン、オードブルフォークが加わります。

館で大切にしているのは、「6名分フルセット(12種)」という数の先にある、それぞれの形と役目までご案内することでございます。
ロカイユ装飾が柄を覆う銀のカトラリー

柄の起伏に、マルリーの華やかさを見る

貝殻と渦巻きを思わせる装飾は、白手袋の指先の下で細かな陰影をつくります。

III12種の違いは、先端と長さに表れる

同じマルリーの柄でも、先端の形、幅、長さは役目によって異なります。魚用のナイフとフォーク、丸みのあるコンソメスプーン、小さなアイスクリームスプーン。執事は一列に並べ、共通する文様と異なる機能を見比べられるようにいたします。

食卓で迷われたとき、すべての名を覚える必要はございません。外側から内側へ、といった手順を列挙するより、目の前の一組がなぜその形なのかを知る。執事はお手元をご覧し、必要なときにだけ、そっと次の一本を示します。

銀器を白手袋で整える女性の執事の手元

選ぶ所作も、蒐集の一部

男性の執事も女性の執事も、金属同士をぶつけず、音まで静かに整えます。

IVリモージュは産地、ベルナルドとレグルは銘柄で読む

リモージュはフランスの磁器産地でございます。館には、ベルナルドのヴォルビリスと、LIMOGES LEGLEのプレートがございます。産地の名と銘柄の名を分けると、説明が明瞭になります。

LIMOGES LEGLEは、コバルトブルーと本金彩を配した25cmのプレートです。同じリモージュの名を持っていても、花文様の柔らかさと、深い青と金の対比では、卓上に生まれる表情が異なります。執事は裏印だけに頼らず、色、縁、直径を合わせてご案内いたします。

花文様、コバルトブルー、金彩を見比べる磁器のプレート

産地名の中にも、異なる意匠がある

同じリモージュでも、文様と色、寸法を確かめれば一枚ずつの個性が見えてまいります。

Vウェッジウッドは、ターコイズとグリフィンを見る

英国磁器の系譜として、館にはWEDGWOOD フロレンティーン ターコイズがございます。ティーポット、シュガー、クリーマー、カップとソーサーに共通するのは、鮮やかなターコイズとグリフィン、すなわち鷲獅子の文様です。

位置皿にはWEDGWOOD コロンビア ターコイズの34cmもございます。フロレンティーンとコロンビアは、ともにブランド名とターコイズの語を含みますが、同じパターンではございません。執事は名称を省略せず、器種と寸法まで添えて取り違えを防ぎます。

ターコイズの磁器をキャビネットから選ぶ執事

色の名だけで、柄を同じにしない

フロレンティーンとコロンビア。それぞれの正式なパターン名を確かめます。

Comparison

館の銀器と磁器を見分ける

白手袋でティーポットとカップを持つ執事の手元
銘柄・産地館にあるもの見る手掛かり
Christofle マルリー6名分・12種のカトラリーロカイユ装飾、用途ごとの先端と長さ
Bernardaud ヴォルビリス25.5cm、21.2cm、22cm、16.5cmの皿花文様と金彩縁
LIMOGES LEGLE25cmプレートコバルトブルーと本金彩
WEDGWOOD フロレンティーン ターコイズポット、シュガー、クリーマー、カップとソーサーターコイズとグリフィン文様
Royal Albert / Royal Doultonカップとソーサー、各種プレート器種とパターン名
大倉陶園 / WEDGWOOD30cmと34cmの位置皿瑠璃金蝕葡萄とコロンビア ターコイズ

産地、ブランド、パターン名、器種を分けて読むと、似た色や形でも取り違えません。

VI英国磁器と日本の白磁を、席の景色で比べる

英国磁器には、Royal Albert ヘアルームのカップとソーサー6客、Royal Doulton カーライルのブレッドプレート、デザートプレート、デミタスカップとソーサーもございます。銘柄ごとに器種が異なるため、数だけでなく、どの形が揃っているかを見ます。

位置皿には、大倉陶園の瑠璃金蝕葡萄30cmと、WEDGWOOD コロンビア ターコイズ34cm。日本の白磁に瑠璃と金蝕を重ねた一枚と、英国の一枚を二人の席に並べます。産地を競わせるのではなく、色、金の置き方、直径がつくる二つの景色を比べる設えでございます。

英国磁器のカップを選ぶ白手袋の執事

器種の違いまで、名とともに覚える

カップ、ソーサー、プレート、ポット。それぞれが蒐集の輪郭を形づくります。

VII銀のティーサービスは、形と光を一揃いで見る

F.B. Rogersの銀のティーサービスは、ヴィクトリアン様式のシルバープレート5点セットで、ポット、シュガー、クリーマーなどをトレイとともに揃えます。単体の器ではなく、注ぐ、添える、運ぶという一連の動きを受け止める組として見るのが要でございます。

グラスは、Cristal D'Arquesのダイヤモンドカットと金縁、Chef & Sommelierの赤用バルーン型、白用チューリップ型250ml、OPEN UP Effervescentのシャンパン用を形で分けます。

正餐の卓に整えた銀のティーサービスと磁器

一揃いは、動きの順に並ぶ

注ぐ器、添える器、受ける器。執事の手が動く順序に、配置の理由がございます。

VIII銀器を置く音まで、執事はなぜ整えるのですか

銀器を扱う所作とは、光沢を見せるだけでなく、金属同士をぶつけず、卓上の会話を遮らないように置くことでございます。執事は柄の中央を安定して支え、隣の一本との間隔を確かめ、先端が同じ方向へ揃う位置で手を離します。

クリストフルのマルリーは、柄全体を覆うロカイユ装飾に細かな凹凸がございます。白手袋は装飾を隠すためではなく、柄を安定して持ち、指先の位置を一定にするための所作にもつながります。6名分を整える場面では、一席だけでなく卓全体の線を見渡します。

銀のベル、5灯のキャンデラブラ、イタリア製の単灯キャンドルスティックも同じ卓上に置かれます。執事は一品ずつの華やかさを競わせず、ベルへ手が届く余白、視線を遮らない高さ、器を運ぶ道を残します。音、光、動線が整って初めて、銀器は館の所作に入ります。

IX磁器は表の文様だけでなく、縁と裏をどう見ますか

磁器の見方とは、中央の絵柄だけで判断せず、縁の金彩、器の厚み、曲面、直径、裏印を順に確かめることでございます。執事は平らな場所へ一枚を置き、光が強く反射しない角度へ向けてから、文様と縁をご覧いただきます。

ベルナルドのヴォルビリスは、花文様と金彩縁を持ち、25.5cm、21.2cm、22cm、16.5cmという異なる皿が揃います。同じ柄でも、大皿、中皿、スープ皿、小皿では余白と立ち上がりが異なります。直径だけを比べず、文様が面の中でどう見えるかを確かめます。

大倉陶園の瑠璃金蝕葡萄30cmと、WEDGWOOD コロンビア ターコイズ34cmは、位置皿として二つの席に並びます。和と英という産地の違いに加え、瑠璃、ターコイズ、金の置き方、直径を一度に比べられる設えでございます。

X初めて蒐集を見るなら、どの順で比べると分かりやすいですか

初めての比較とは、銘柄を暗記することではなく、銀と磁器、同じ産地の異なる柄、同じ色を持つ異なるパターンの順に違いを狭めることでございます。まず素材の光り方を分け、次に形と用途を見て、最後に裏印や正式名を結びます。

執事は一度に多くの品を並べず、ご主人さまが目を留めた一客を中心に、比べる品を一つ添えます。ターコイズの色が気になればフロレンティーンとコロンビア、花文様ならヴォルビリス、銀の起伏ならマルリーへ。問いから一品へ進む順序なら、初めてでも違いを見失いません。

この館の運営を担う全日本執事協会は、一般社団法人でございます。男性と女性の執事は、品を守る扱いと正確な名称を同じく大切にします。お見せした後は、縁同士が触れない間隔を戻し、キャビネットの曲面ガラス越しに全体が整って見える向きへ収めます。

Handling

執事が器をお見せする順序

正餐の間。イチイ材のテーブルと椅子、シャンデリア

キャビネットで全体を見る

どの銘柄が、どの器種で揃うかをご覧いただきます。

執事が一品を取り出す

繊細な品は白手袋で支え、縁や柄を隠さない向きにいたします。

表と裏を確かめる

文様、金彩、形、寸法、裏印を順に見ます。

隣に置いて比べる

同じ産地、同じ色、異なるパターンを並べ、違いを具体的に読みます。

執事が元の場所へ戻す

金属や磁器が触れ合わないよう、間隔と向きを整えて収納します。

Names

器の名前は、四つの層に分けると迷いません

産地リモージュのように、磁器が作られる地域を示す名
銘柄クリストフル、ベルナルド、ウェッジウッドなど、製作元を示す名
パターンマルリー、ヴォルビリス、フロレンティーンなど、意匠を示す名
器種ポット、カップ、位置皿、フォークなど、形と用途を示す名
素材銀、シルバープレート、磁器、クリスタルなど、品を形づくるもの

蒐集品を守るための扱い

  • 執事がキャビネットから一品ずつ取り出すこと
  • 文様、縁、寸法、裏印を見やすい順に示すこと
  • 似た色や同じ産地の品を二点ずつ比べること
  • 金属と磁器が触れ合わない間隔へ戻して収納すること

蒐集品で行わないこと

  • 飲食の品目を並べるための器として紹介すること
  • 産地名と銘柄名を同じものとして扱うこと
  • 繊細な品を執事の案内なく移動すること
Qクリストフルのマルリーは何種類ありますか?
A

館には6名分、12種がございます。テーブル、デザート、魚用などの基本に、廃盤のアイスクリームスプーンとオードブルフォークを含みます。

Qリモージュはブランド名ですか?
A

リモージュはフランスの磁器産地でございます。館にはベルナルドのヴォルビリスとLIMOGES LEGLEがあり、銘柄と文様はそれぞれ異なります。

Qウェッジウッドのターコイズは一種類ですか?
A

館にはフロレンティーン ターコイズとコロンビア ターコイズがございます。同じターコイズの語を持ちますが、異なるパターンでございます。

Q女性の執事にも器を案内してもらえますか?
A

はい。男性と女性の執事が在籍し、器の移動、比較、収納までご案内いたします。ご希望はご予約時にお知らせくださいませ。

Q器の名前を知らなくても楽しめますか?
A

はい。色、文様、形など、目に留まった特徴から執事へお伝えくださいませ。産地、銘柄、パターン、器種の順に結び、一度に多くの名前を重ねずにご案内します。

Q銀器と磁器を同時に比べられますか?
A

はい。執事が一品ずつ取り出し、銀の反射と磁器の色、重さと曲面を見比べられるよう整えます。繊細な品の移動と収納は執事へお任せくださいませ。

Queen's Butler のマーク(G04 筆の環)
Reservation

文様の続きを、執事の手元で。

銀器と磁器を間近に並べ、銘柄、産地、形の違いをご案内いたします。