
執事の立ち方とお辞儀
姿勢、手の位置、礼の深さと間を一続きに整えます
執事の立ち方とお辞儀とは
執事の立ち方とお辞儀とは、相手の動きを妨げずに控える姿勢と、場面に合わせて敬意を示す礼でございます。背中、肩、手、視線、足元を順に整え、上体を下げたところで静かな間を置きます。執事見習い体験では、執事と並び、立つ、歩く、止まる、礼をする流れを確かめます。
I執事の立ち方は、相手へ意識を向けながら静かに控える姿勢です
執事の立ち方とは、ただ背筋を伸ばす形ではなく、ご主人さまの動きに応じられる余白を保つ姿勢でございます。肩の力を抜き、背中を自然に起こし、足元を落ち着かせます。胸を張りすぎず、呼ばれたときにすぐ一歩を運べる状態をつくります。
体験では鏡の前に立ち、普段の姿勢から少しずつ整えます。執事が隣で同じ姿を見せるため、言葉だけで理解しようとする必要はございません。肩、背中、顎、手、足の順に見ると、一度に全身を直そうとせずに済みます。
何も持っていない時間にも、その方への配慮は表れます。扉が開く気配や、席を立つ動きへ意識を向けつつ、自分の存在を大きく見せません。静かに控える立ち方は、次の動作へ移る前の準備でもございます。
II手は前で重ね、指先まで落ち着かせると姿勢が整います
手の位置とは、何もしていないときの印象を決める大切な基準でございます。両手は身体の前で軽く重ね、肘を張らず、指先を揃えます。強く握ると肩まで固くなるため、手のひらに余計な力を入れません。
白手袋を着けると、指の曲がりや重なりがよく見えます。執事は手元だけを直すのではなく、肘から肩へ続く線も見ます。手を下げすぎても上げすぎても落ち着かないため、ご自身が自然に呼吸できる位置を探します。
物を受け取るときは重ねた手をほどき、用が済んだら元の位置へ戻します。この戻り方が急だと、動作が途切れて見えます。最後まで同じ速さを保ち、指先が落ち着いてから次の気配を待つことが執事の所作でございます。
III視線は伏せすぎず、相手と進路の両方へ配ります
視線の置き方とは、ご主人さまを凝視せず、それでも必要な合図を見逃さない見方でございます。顎を引きすぎず、正面のやや下へ穏やかに置きます。相手が立つ、手を伸ばす、扉へ向かうといった動きを周辺の視野で捉えます。
下を向き続けると、進路や調度へ注意を配れません。反対に目を合わせ続けると、くつろぐ時間を妨げます。執事は、必要なときに目を上げ、用が済めば静かな位置へ戻す切り替えを行います。
回廊を歩く場面では足元と前方を交互に確かめます。正餐の間で控えるときは、ご主人さまの手元と卓上に意識を向けます。立つ場所により見る先は変わっても、相手を中心に判断する姿勢は変わりません。

控える姿勢にも役目があります
呼ばれる前から相手の動きへ意識を向け、必要な一歩に備えます。
IV歩くときは足音と上体の揺れを抑え、進路を先に見ます
執事の歩き方とは、速さを見せるのではなく、相手の時間と館の静けさを乱さず移動することでございます。歩幅を無理に広げず、足を運ぶたびに上体が左右へ揺れないようにします。衣装の裾と足元にも注意を配ります。
ご主人さまの前を案内するときは、進路の先に物がないかを見てから歩き始めます。後ろから付くときは距離を詰めすぎません。立ち止まる際も急に身体を止めず、最後の一歩を小さく収めます。
トレイや銀器を持つ場面では、手元だけを見続けないことも大切でございます。進む先、相手の動き、持っている物を順に確かめます。体験では何も持たずに歩いたあと、給仕の姿勢へつなげて違いを感じていただきます。
Vお辞儀は首だけを下げず、背中の線を保って行います
お辞儀の基本とは、立ち姿で整えた背中を保ち、上体を一つの面として静かに傾けることでございます。首だけを先に落とさず、手は前で重ねたままにします。下げ始めと戻り始めを急がず、動きの境目を見せません。
礼へ入る前に足元を止め、相手へ意識を向けます。動きながら頭を下げると、敬意を示す瞬間が曖昧になります。止まる、手を整える、上体を下げる、間を置く、戻るという順序を守ります。
戻るときは、下げたときよりも慌ただしく見えないようにいたします。視線だけを先に上げず、背中と頭を一緒に戻します。正面へ戻ったあとに一呼吸置くと、次の案内や言葉へ自然につながります。
VI礼の深さは場面の意味で選び、数字だけで決めません
礼の深さとは、挨拶、感謝、お見送りなど、その場で伝える敬意に合わせて選ぶものでございます。軽い挨拶では浅く、心を込めてお礼を伝える場面ではより深くします。角度の数字を覚えるより、何を伝える礼かを先に考えます。
ご来館時には扉を開け、相手の姿を確かめてから歓迎の礼をいたします。ご退館時には、その日の時間への感謝を込め、送り出す方向へ身体を整えて礼をいたします。同じ形を繰り返すのではなく、場面の前後まで含めて一つの所作にします。
体験では執事と並び、浅い礼と深い礼の見え方を鏡で比べます。体格や衣装により同じ動きでも印象は変わるため、ご自身に無理のない範囲で背中の線と間を整えます。
VII下げたところで置く間が、礼の気持ちを相手へ届けます
礼の間とは、上体を下げたところで動きを止め、敬意が伝わる時間を置くことでございます。すぐに戻ると会釈が慌ただしく見え、長く止まりすぎると相手を戸惑わせます。場面に合う静かな長さを、執事の動きに合わせて確かめます。
間を置いているあいだも、肩や手へ余計な力を入れません。息を止めず、背中の線を保ちます。呼吸が乱れないと、戻る動作も滑らかになり、次の言葉を穏やかに続けられます。
『下げきったところで止める間が、礼の重さでございます』とは、数字ではなく相手へ向けた時間を大切にするという、現場での考え方でございます。形を急いで完成させるより、相手が受け取れる所作を選びます。
下げきったところで止める間が、礼の重さでございます。
VIII立つ、歩く、止まる、礼をする流れまで一続きで確かめます
一連の所作とは、姿勢だけ、お辞儀だけを切り離さず、部屋へ入り、所定の位置へ進み、止まり、礼をして控えるまでをつなぐことでございます。体験では正餐の間や回廊を使い、実際の場面を思い浮かべながら反復します。
一人で参加される場合は、鏡の像と執事の姿を見比べながら細部へ集中できます。お二人以上では、相手の動きが終わるのを待ち、揃えて礼をする呼吸も確かめられます。館は最大6名で、人数に応じた進め方を事前にご案内いたします。
雨の日は外から入った直後の足元を整え、急いで歩き出さないことも大切でございます。衣装や靴の感触を確かめてから所作へ進みます。季節や当日の体調を執事が見て、無理のない動きに整えます。
IX姿勢を整えたら、静止する時間も所作の一部です
姿勢を整えるとき、ご主人さまの前で身体を何度も動かし続けないことも大切でございます。必要な修正を一度ずつ行い、整ったら止まります。止まっている時間があるからこそ、次に歩き出す動きや礼がはっきり見えます。
手を前に置く位置は、衣装や体格によって見え方が変わります。決まった一点へ無理に合わせるのではなく、ベストやコートの前を隠しすぎず、肘を自然に下ろせるところを選びます。白手袋の左右が重なる部分も鏡で見て、指がばらばらに開いていないかを確かめます。
鏡で形を直し続けるのではなく、整ったところで一度止まり、呼吸と衣装の感触を確かめます。立ち姿が落ち着いて初めて、相手の動きへ意識を移せます。静止は何もしない時間ではなく、次の求めへ備える時間でございます。
X視線と歩幅は、扉や調度の位置に合わせて変えます
視線は礼の前後にもつながります。相手へ向いたことを確かめてから上体を下げ、戻ったあとに初めて次の進路へ視線を移します。先に別の場所を見ると、礼が途中で終わったように映ります。小さな順番ですが、相手へ向ける時間を明確にするための判断でございます。
扉の前では、開く方向と相手の通る側を先に見ます。椅子の近くでは、脚や卓上との距離を確かめます。同じ歩き方をどこでも繰り返すのではなく、調度と相手の位置を見て歩幅や進む向きを変えます。館内で実際に移動するからこそ、姿勢を現場の判断へ結びつけられます。
XI複数人の礼は、横を見ずに始まりと戻りを揃えます
複数の方で礼をするときは、深さだけでなく始める合図と戻る速さを揃えます。横を向いて確認すると姿勢が崩れるため、執事の呼吸や衣擦れの気配を感じながら動きます。記念撮影では、この揃った一瞬が衣装と館の空気を静かに伝えます。
一般社団法人 全日本執事協会が運営する体験として、見た目の形だけで終わらせません。扉を開ける前に進路を見ること、相手の言葉を待つこと、礼のあとも静かに控えることまで、実際に仕える場面へつながる姿勢としてお伝えいたします。
XII初めての方は、相手へ意識を向ける順序から始めます
初めて所作に触れる方は、うまく揃えることよりも、相手へ意識を向ける順序を持ち帰ってくださいませ。立つ前に場所を見る、歩く前に進路を見る、礼の前に相手へ向く。この積み重ねがあれば、形は少しずつ落ち着きます。
一般社団法人 全日本執事協会が運営するQueen's Butlerとして、形の先にある相手への敬意をお伝えします。
礼は五つの動きを途切れさせずに行います

足元を止める
歩きながら礼へ入らず、相手へ向く位置を決めます。
手と肩を整える
手を前で重ね、肩の力を抜いて背中を起こします。
視線を収める
相手へ意識を向け、視線だけを先に落としません。
上体を下げる
首だけを曲げず、背中の線を保ったまま動きます。
静かな間を置く
下げたところで止まり、場面に合う敬意を伝えます。
浅い礼と深い礼は伝える気持ちで選びます

| 礼の使い分け | 向いている場面 | 所作の要点 |
|---|---|---|
| 浅い礼 | ご案内の始まりや軽い挨拶 | 足を止め、短い間を置いて次の動きへつなぎます。 |
| 深い礼 | 感謝を伝えるお見送り | 背中の線を保ち、慌てずに戻ります。 |
| 並んで行う礼 | 記念撮影や二人以上での場面 | 隣の気配を感じ、同じ合図で始めます。 |
| 物を持つ前後の礼 | 給仕へ移る場面 | 手元を整えてから礼をし、終えてから物を扱います。 |

立ち姿で執事が確かめる場所
| 肩と背中 | 肩を上げず、呼吸できる自然な線を保ちます。 |
|---|---|
| 手と指先 | 身体の前で軽く重ね、肘を張らず、指先を揃えます。 |
| 視線 | 伏せすぎず、相手と進路の動きを捉えられる位置へ置きます。 |
| 足元 | 次の一歩へ移れるように落ち着かせ、衣装の裾も確かめます。 |
| 立つ場所 | 相手の動線を塞がず、呼ばれたときに応じられる位置を選びます。 |
館の三つの場面で立ち方と礼を使い分けます
体験で行うこと
- 鏡の前で立ち姿と手の位置を確認します
- 歩く、止まる、礼をする流れを執事と行います
- 浅い礼と深い礼を場面に合わせて使い分けます
無理に整えなくてよいこと
- 角度の数字を暗記する必要はございません
- 背中を反らせたり呼吸を止めたりする必要はございません
- 一度で揃えようとせず、執事の動きを見ながら進めます
Q姿勢に自信がなくても参加できますか。
はい、普段の立ち姿から少しずつ整えます。肩、背中、手、視線、足元の順に執事と確認するため、一度に全身を直す必要はございません。
Qお辞儀の角度を覚えておく必要はありますか。
数字を暗記していただく必要はございません。挨拶や感謝など、場面に合わせて浅い礼と深い礼を執事が示し、ご自身に無理のない動きを一緒に確かめます。
Q手はどこに置けばよいですか。
何も持っていないときは、身体の前で両手を軽く重ねます。肘を張らず、指先を揃え、肩まで力が入らない位置に落ち着かせます。
Q礼をするときはどこを見ますか。
首だけを下げず、背中と頭を一緒に動かします。下げたところで静かな間を置き、戻るときも視線だけを先に上げないようにいたします。
Q女性の執事から所作を見せてもらえますか。
Queen's Butlerには男性と女性の執事が在籍しております。担当についてのご希望がある場合は、ご予約時にお知らせくださいませ。
Q二人で同時にお辞儀をする場面はありますか。
はい、執事と並んで礼をし、呼吸を合わせる場面をご用意しております。お二人以上で参加される場合は、互いの気配を感じて動きを揃える体験もできます。
衣装について
- サイズと種類に限りがございます。ご予約の前に、身長とお召し物のサイズをお知らせくださいませ
- 上記以外のサイズもご相談くださいませ






